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第34話 事件の推理③

Author: 霞花怜
2025-06-23 19:30:05

「詳しいんだね、晴翔君」

 素直な感想が零れた。

 晴翔は大学事務員で医療関連の職業ではない。卒業大学も理工系で、無関係に思える。

「いや、その……。俺、筑紫大の理工学部卒なんですけど、自分がotherだから、卒論がそっち方面というか、WO関連で上げてて。医療についても、割と調べて」

 何となく、慌てているような、しどろもどろしている。

 恥ずかしいのだろうか。恥じる必要はないのに。

「だから、理玖さんの論文も、実はかなり読み込んでます……」

 晴翔が顔を赤くしている。

 それはむしろ、理玖の方が恥ずかしい。

(それはつまり、出会う前から僕を知っていたということで)

 初めて会った時、御姫様抱っこをしてくれた時には、晴翔は理玖を知っていたことになる。あの時の晴翔に今のような恋心はなかっただろうが。

(中途半端に有名人扱いとかしないで、普通に接してくれた)

 ただの一職員として接してくれたのが嬉しかった。

 何となく、晴翔の手を握って包み込んだ。

「えっと、こういう治験が流入してくるくらいだし、otherの興奮剤の治験とか、治験が無理でも、伝手さえあれば日本でも持ってる奴はいそうだなって思って」

 晴翔が必死に話を戻そうとしている。

 こういう晴翔は珍しいなと思いながら、理玖は考え込んだ。

「正規のルートに紛れてotherの興奮剤が国内流入している可能性は、なくはないかもしれないね」

 日本においては犯罪になるが、ことWOに関連した事柄は世界中の認識が甘い。加えて関連事業は開発を焦るから多少の無理もする。

「弁当に興

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